若い人が退社する時の理由に「この仕事は自分に向いてませんでした」というのがあ
ります。では向いてないと言える程の努力をしたのか?とは良く言われるお説教ですが、実
はもう1つ言いたい事があるのです。その向かない仕事を希望してやってきたのは誰でした
か?という事。いい大人が自分の判断で選んだ仕事(会社)だった筈なのに、たかだ
か数ヶ月で考えを変えて恥ずかしくないのか、という事を問いたいのです。潔い判断のよう
だが実はとても恥ずかしい行為ではないでしょうか。じゃあ結婚して向いていないと思えばすぐ離
婚するのか、子供が産れても子育てに向いていないと思えば育児を放棄できるのか、
考え方はそれと同じ。人はその人にとってヘビーな状況を乗り越えていく事で
はじめて成長するのです。そして仕事も然り。良い面ばかりを幻のように追いかけて、現実の厳
しさや己の能力のなさを見ていない若者があまりに多いように思います。そして我慢が足りないし、
我慢させない親も悪い。一見正論に思えるような理由を並べても、自ら会社を去って
いくという事は結局挫折。今の会社で成功し結果を残せる人にはその会社を辞
める理由がない。反対に今の会社で成功しなかった人に、別の会社で成功する見込み
はない。駄目な奴はどこに行っても駄目なのです。会社が悪い、上司が悪い、商品
が悪いのではなく、全てが本人の問題です。それに気付かない人が転職を繰り返す
のです。「若いから転職しても何とかなる」のではない。むしろ逆です。若いからこそ夢
いっぱいで、身体にも無理もきくこの時期に、楽な道を選ぶ方が大問題なのです。仕事
の適正、つまり「向く・向かない」は確かにあると思いますが、やっぱり「石の上にも3
年」と言いたい。長く続けられない人が言ってはいけない台詞です。
2005年6月27日